News お知らせ

大道芸フェスとコロナ対策とお金の話

なぜこの記事を書くのか

日本大道芸フェスのクラウドファンディングで500万円を超えるお金をご提供いただくことができました。
来場制限により会場に来ることが出来なかったクラファン支援者さんや、無償で2日間協力してくださったボランティアスタッフさんのためにも、
今回のフェスで何を行ったのか、何が普段と違ったのか、またそれにかかった費用に関しても
透明にしておくことが誠実であると思い、この記事を書くことにしました。

また、コロナ対策に関してなど、今回のフェスで初めて行った試みに関しても、公式として総評を残しておく価値があると思います。
書ける範囲で全部書いていきます。

この記事を参考に、少しでも安心、安全に開催できる大道芸フェスが増えることを願っています。
なお、関係各所にご迷惑がかからないように、ぼかしているところもあります。
意図をご理解いただき、そこの数字の深追いはお控えください。

また、今回、このようにやったよというだけで、これが正解とは思っていません。
大道芸フェス業界関係者の方、もっとよい方法があれば教えて頂きたいです。

非常に長いです。どうぞ、お時間あるときにお読みください。

来場者数と集客方法の考え方

安心、安全な大道芸フェスの実現のためには、コントロール出来ないほどの来場者数は困るが、とはいえ、各ステージ20名しか見ていないというような寂しい形も避けたいという思いがありました。
会場の大きさ(東京ドーム約10個分)、ステージ数(5)、駐車場のキャパ(800台)を考えて、1日2000~3000人程度の来場がよいと考えていましたので、それに向けて、SNS、ケーブルテレビ、FMラジオ等の取材を受けたり、反響の具合をみて、チラシの配布部数や、来場制限地域を東海4県に拡大するなどの対応を行いました。

結果としては
7/11(土)は午前中雨、午後曇という環境で約1,600名
7/12(日)は一日晴天という環境で約3,500名
の来場となったため、来場人数は概ね希望したくらいの人数になりました。

計画の段階では、晴れれば1日3,000人、雨なら1日1000人程度の来場を見込んで物品の用意を行いました。

使えるお金 10,053,893円

・クラウドファンディング(以下クラファン) 5,003,777円

・イベントパートナーが出すお金 5,000,000円

・当日の募金 50,116円

クラファンの手数料や、リターンの必要経費がありますが、それは使ったお金のところに登場させますので、
総予算10,053,893円のイベントとなりました。

使ったお金 7,999,016円

会場設営 994,027円

・テント 2間x2間 6張 2間x4間 7張 176,660円(レンタル)
7月開催ということで、受付には当然テントが必要です。
大道芸フェスにふさわしくなるように、できるだけ見栄えのよいもの…と考え、
ツートンカラーのおしゃれなロイヤルパワーテントにしました。
また、雨天時のことを考慮し、大きなテントをたくさん用意しました。
結果的に、晴天時、雨天時ともに、テント下に人が密になってしまうため、
受付、音響などのスタッフ用以外には、テントは用意しないほうがよかったと感じています。

・ウエイト 30kg 66個 31,944円(レンタル)
30kgは相当重めのウエイトですが、2日目の強風にテントが耐えてくれたのは、このウエイトのおかげです。
それでも一部テントが飛びそうになったとの報告を受けています。

・防風横幕 52枚 79,860円(レンタル)
テントの側面に張って目隠しと日陰を作るものです。
横幕を下ろすと風はさえぎることができるので、受付に置いたパンフレットなどを飛ばないようにできます。
逆に横幕が風を受けるため、強風の場合は、テント自体が飛ばされそうになります。二日目は風で飛びそうになったため、
途中でテントを移動したり、横幕の数を減らしたりなどの対応を行いました。

・机 14個 13,552円(レンタル)
受付や音響用の長机として使用しました。
今回は検温や、リストバンド配布など、受付業務が多いことと、スタッフが密にならないようにたくさん必要になりました。

・パイプイス 50個 12,100円(レンタル)
スタッフ、音響用に使用しました。

・ステージ&ステージのテント(屋根) 2個 241,791円(レンタル)
今回ステージを2個用意しました。ステージがあると遠くからでもショーを見ることができるので、
ソーシャルディスタンスの確保が容易になります。また、ステージにテントを付けて雨天でもショーが見えるようにしました。
もちろんテントはショーの邪魔になるので、ジャグリング、バランス芸泣かせになってしまいます。
大道芸ワールドカップのような大きな大きなステージテントが用意できると理想ですね。
参考までにステージサイズはW7200xD3600xH600とW5400xD3600xH600です。

・発電機 2台 16,280円(レンタル)
電源まで遠いスポットや、業務用扇風機を動かすのに使用しました。

・カラーコーン 55個 コーンバー 50個 15,730円(レンタル)
音響のテントなど、進入禁止エリアとの区分けに使用しました。

・運搬車両費、設営、撤去費 1式 333,839円
ステージを2ヶ所設営したことにより高額になりました。ステージがない場合もっと安価に設営が可能です。

・雨具 9,285円
・養生テープ 30個 2,536円
・グリップ手袋 30双 6,726円
・ロープ、ペグ、ハンマー等一式 17,974円 
・20m巻き尺 9790円
・音響一式 
大道芸地位向上委員会様よりお貸し出し頂きました。
・電源その他ケーブル、台車、小物類等 
イベントパートナーが保有している道具、設備も一部使用しました。

新型コロナウイルス対策 352,142円

・フラットマーカー 1024枚 115,526円
観客の座席(間隔)の指定に使用しました。
今回のフェスで苦労したところのひとつです。どうやってソーシャルディスタンスを確保した状態でフェスを行うか考えた結果
安価、フェスっぽい、インスタ映え、風で飛ばない、雨に強い、小さく持ち運び容易、劣化しない、を全て満たす、
比較的重めのフラットマーカーを採用することにしました。
前例のない(と思います)チャレンジでしたので、果たしてうまくいくのか?と不安はありましたが、
きちんと声掛けが行われたスポットでは、きれいにソーシャルディスタンスが守られてショーが運営できました。
なお、家族は1つのマーカーにまとまって座ってしまったりすることがあるので、周知、声掛けが必要になります。
今後、フラットマーカーによる位置決めが各地に広まっていくと嬉しいです。

事前に設置テストをした様子です。当日はこの写真の間隔よりも更に広げての設置をしました。

・リストバンド 5000個x2 39,900円
今回のフェスは5000人で入場制限をかける必要があったため、受付が完了した方にリストバンドを配布しました。
リストバンドが無くなれば、そこで入場制限をかけるつもりでした。
日曜日は12時くらいに駐車場がほぼ満車になり、勝手に入場制限がかかる格好になったので、受付の負担もなくよかったと思います。
また、フェス感が出るというか、観客に少し一体感が出たのではないかと勝手に想像しています。

・トランジスタメガホン 10個 26,656円
スタッフが大声を出して注意するのはさけるべきなので、各スポットにトランジスタメガホンを持ったスタッフを配置しました。

・非接触体温計 16個 36,020円(レンタル)
受付での検温に使用しました。各機種ごとに精度の面で誤差があることは想定していましたので、2種類(別のメーカーのもの)レンタルしました。うち1種類は明らかに精度が劣っており、接触式(脇に挟んで測定するもの)体温計に比べ、誤差が大きく測定されました。そちらは使用しないことにしましたが、レンタルする際には事前にテストするなどして、できるだけ精度の高いものを選んだほうがよいです。

・注意書きターポリン幕一式 52,932円
注意書きを幕にして、ステージ前の地面に配置しました。
文字を読むことが出来るサイズでは無かったので、注意が大勢のお客様には伝わりづらく、スタッフや演者からの呼びかけで対応をしました。
風の問題はありますが、次回は大きなフラッグ看板のようなもので大々的にルールを明示しようと思います。

・列用ソーシャルディスタンスシート 20枚 22,500円 
受付前の行列管理に使用しましたが、大きな効果があったかは疑問です。各スタッフが密にならないように声掛けや自ら動いてスムーズな受付のために動いてくれたりしたため、特に日曜日は3500名と非常に多くの方にご来場頂いたにも関わらず、長い行列が発生することはありませんでした。次回はフラットマーカーを並べて列を作り、目印にしたいと思います。

・アルコールボトル置き 10台 6,600円(レンタル)
受付や各スポットに消毒用のアルコールボトルを設置するのに使用しました。

・アルコール 40L
消毒用アルコールについては、スポンサー様にご提供頂きました。スポンサー様も感染症対策に万全を期すことに協力的で、気にせず充分に使ってください、とのありがたいお言葉をいただきましたので、相当量ご用意をしました。
ただ、結果的に大幅に余りました。今回の規模であれば20L程度で充分だったと思います。

・マスク 1000枚 9,600円
無料配布として念の為用意しましたが、ほとんど使用することはありませんでした。
皆さんほとんどの方が、ご自身のご用意にてマスクの着用にご協力いただきました。

・フェイスシールド20枚 6,584円
お客様とよく接触するスタッフ用に用意しました。主に受付のスタッフが使用しました。
マスクより息苦しくなく、スタッフからは好評でした。

・アルコール容器ボトル 30本 11,300円
・アルコールスプレー14本 3,050円
・アルコールスプレー200ml 35本 11,143円.
・ポリエチレン手袋 500枚 975円
・ゴミ袋 90枚 549円
・抗菌カウンタークロス 700枚 10,192円
・雑費小物 5,215円

熱中症対策 403,600円

・スポーツドリンク 5040本 289,800円
熱中症対策として無料配布しました。
秋に開催する場合は不要だと思いますが、夏に開催する場合は、必須だと思います。
もちろん有料販売も可能ですが、その場合、体調不良の方が大勢出たのではないかな?と思います。

今回熱中症対策として、看護師資格保有者を待機させていましたが、
体調不良を訴える来場者様は一人もいらっしゃいませんでした。

1日目が雨だったため、おそらく500本程度配布し、2日目は晴れていたため、2500本程度配布しました。
結果的に大量に余りましたが、もし二日間晴れていたら5000本配布でちょうどよかったと思います。
しかしながら、氷は不足し、最後の方はほぼ常温のまま配布していました。(無料配布のため問題にはなりませんでした)

余った分に関しては、先日発生しました令和2年7月豪雨で被災された九州の特別養護老人ホームさんに寄付をさせていただきました。

・ジュースストッカー 4個 19,360円(レンタル)

・氷 29,100円
スポーツドリンク5000本に対し、氷は大きく不足しました。

・業務用扇風機とミスト扇風機 15台 84,700円(レンタル)
スタッフが熱中症にならないように扇風機を用意しました。15台もあると電源の確保が結構大変でした。
秋に開催するのであれば必要ないかなと思います。

広告宣伝費 1,417,917円

・ホームページデザインテンプレート代 29,700円
公式ホームページのデザインは有料で雰囲気の良いデザインテンプレートを元に自社スタッフで作成を行いました。
補足として、以降でご説明させていただくものは全て、デザイン費用は含まれておりません。
デザイン費用は公表をすることができませんので、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。

・フェスティバルフラッグ(土台含む) 60本 346,100円
フラッグは次回以降の開催でも使用を考えています。少し割高でも雰囲気の良いデザインおよび形状のもので作成しました。通常の幟(のぼり)よりも少し設置に時間はかかりますが、この半円の形状の場合、風が強くても、バサバサなびかず識字性も高く、加えて並べて設置した際にフラッグの向きが揃うのが利点です。非常に良い選択だったと思っています。

・パンフレット 5000部 110,800円
ポケットにも入れられるよう、B6サイズという非常に小さなサイズのパンフレットを制作しました。
「小さくてかわいい」「持ち運びやすい、かばんに入れやすい」「読みやすい」など、好評だったと思います。
部数に付いては、余りが多く出ました。合計5000人以上来場されたのに、3000部くらい余りました。チラシにもタイムスケジュールが書いてあったことも大きかったのかもしれません。この部分は次回の反省とさせていただきます。

・チラシ A4(配布用)3000部 12,040円
・チラシ B4(新聞折込用)50000部 98,430円
・新聞折込手数料(半径5km_5万世帯) 159,181円

告知用のチラシを配布用と新聞折込用として、作成しました。
もちろんかねてからの大道芸ファンの方も数多くご来場いただきましたが、近隣住民の方にも多くご来場いただけたと思います。
これをきっかけに大道芸のことを好きになった方がいますように!

・ポスター 50枚 20,830円
1週間前から、会場となるあいち健康の森公園さん、げんきの郷さんにご協力いただき、掲示をしていただきました。
同時に出演者全員のサインをして、クラウドファンディングのリターンとしても使用しています。

・捨て看板 60本 143,400円
告知用、入場受付の入力フォームの案内、各スポット・受付等の案内などに使用しています。
告知用の機能としてはもう少し本数があるべきだったと思いますが、費用との兼ね合いになります。

・プレスリリース代 71,500円
東海地方のメディア向けにクラウドファンディング前、後で2回プレスリリースを打ちました。
結果、地元ケーブルテレビ2局と、コミュニティラジオ1局にて、大々的にPRしていただくことができました。
ケーブルテレビにて4時間放送していただきましたので、テレビでパフォーマンスを見た方も一定数いるのではと思います。

・募金箱支援幕 5,720円
・紐 200円
・雨天用タイムテーブル印刷代 2,500円

出演関連費 約440万円

この項目の内訳は公開を控えさせていただきます。
大部分は25組のべ31名の出演者の出演料、交通費、宿泊費となります。
その他、出演者・スタッフの弁当代、スタッフポロシャツなどに使用しました。

クラウドファンディング関連費 697,304円

・クラウドファンディング決済手数料 275,207円
今回のクラファンはキャンプファイヤーさんを利用させていただきました。
新型コロナウイルス(COVID-19)サポートプログラムにより、決済手数料の5%+消費税のみで実施が可能となりました。

・グッズ作成費用と郵送費用 422,097円
リターン品のフェスティバルタオル、パフォーマータオル・缶バッチ・キーホルダー・マグカップ・Tシャツ、似顔絵などの作成費用です。
クラファン支援者様のお気持ちを考え、内訳(原価)の公開は控えさせていただきます。
今回の出演者の皆さんに様々なグッズをご提供いただいたり、サインなどにも快くご協力いただきました。

こんな感じのフェスになりました

こんな感じになりました。一部密が防げなかったところもあります。その反省はこちらをごらんください。

A 芝生大広場
A 芝生大広場
B イベント広場
B イベント広場
C 交流センター
C 交流センター
D 管理棟前
D 管理棟前
E げんきの郷

残った 2,000,000円 の行き先

ここまで読んでいただいてありがとうございました。
1000万円(使えるお金)-800万円(使ったお金)=200万円(残ったお金)となりました。

クラウドファンディングが目標金額を超えた分が余った形です。もともとイベントパートナーが500万円出すという宣言をして、クラウドファンディングを始めていますので、このお金は会社に戻すわけにはいきません。
どなたか別の方に日本大道芸フェスの続きをしていただいたら最高です。引き続きご連絡お待ちしています。もし現れなければこの200万円をもとに、より安心、安全に近づいた形で、また少し違った大道芸フェスを企画してみようかなと考えています。